「ウバメガシ」と一致するもの

紀州備長炭の原木ウバメガシは自分の経験上、山の裾から育ってるのをあまり見たことはないです。
尾根や足場の悪いところ岩場などの険しいところに育っております。
なかなかそのな山に巡り合えておりません。ぜひとも出会いたいものですね。
切り出しているとたまにこれはどう切ろうかと悩む時があります。
原木と原木が引っ付いてたり株で密集していたり切り倒したくない方向に向いていたりします。
伐った後は、地面スレスレに株を更に伐って成長を促進させてあげたりと切ったら終わりではなくその後伐った周りの木もでかい木は日が当たる様に切ってあげます。そうして次世代に繋ぐことは今後更に大事だと思います。

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紀州備長炭の銘柄に半丸と割があります。
原木のウバメガシは、太さもバラバラで自然の商材なので同じものは二つとありますせん。
太い原木は半分に割ったりそれでも太いものは更に割って四つ割りにします。これは、どうやって見分けるかというと長年の経験によるものです。弊社では、割るときは割り機を使わず全てチェーンソーで割っております。
それはなぜかというとやはり炭にした時にきれいになるからです。
割り機は無理やり割りますがチェンソーは、切るからその違いでしょう。
手間をかければかけてやるほど炭はそれに答えてくれます。


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紀州備長炭は、ウバメガシを原料に作られる固くて良質な白炭(はくたん又はしろずみ)で、料理の加熱・焼き物には最適の材料です。 和歌山県は日本有数の白炭の生産量を誇っており、年間約1,200トンを生産しています。 紀州備長炭の品質の高さは、世界中で焼かれている木炭の中でも秀逸で、原料となるウバメガシの存在をはじめ、窯の構造・製炭方法も品質の高さに関係しています。 1974年(昭和49年)、紀州備長炭の製炭技術は、和歌山県の無形民俗文化財に指定されています。現在、1970年(昭和45年)に結成された「紀州備長炭技術保存会」によって保持されており、技術の継承にあたっています。

窯口で雑木を燃やし、窯の中の原木を乾燥させます。原木に着火したかどうかを煙の臭いと色で判断するという、経験と勘が必要な作業です。窯の中の原木に着火したら窯口をふさぎ、原木を蒸し焼きにしていきます。煙の臭いと色で窯の中の状況を判断しながら、窯口に小さな穴を開けたり排煙口の大きさを調節したりして、炭化を常に最高の状態に保ちます。炭を焼くというのは正確な表現ではありません。ひとたび炭化を始めた原木は、自ら発する熱によって、順次下方へと熱分解を伝えていきます。炭に変化するのです。この時も煙の色と匂いと勢いで空気穴を調節し、炭化を最高の状態に保ちます。木酢液はこの段階で採取します。

備長炭----固定炭素95%以上、精錬度0~2度の木炭(備長炭は白炭に分類されます)というように決まっています。

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紀州備長炭のウバメガシの株を伐採する時は、伐る順番を間違えるとかかり木になり手間がかかります。最悪のっかかれた原木はしなって折れたり、自分に向かってきたりしますので間違わないよう注意が要ります。そして、伐採する太さは基本的に一升瓶の太さを目安にしております。

写真の株は伐採後ですが、細いのは残して成長を促しています。択伐に近いですね。
細い原木を残せば鹿にも虫にもやられずに成長も早く40年サイクルが半分で済む場合があります。
限りある資源で次世代に残す方法としては、一番良いと思います。

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紀州備長炭の銘柄には馬目・樫とあります。
樫とは、馬目が格落ちしたものウバメガシ以外の木を使ったものを樫と言います。箱のサイズも一般には15kg1号というものを使います。15kg1号に入らない収まらない物を2号.3号に入れてるものも銘柄は樫といいます。炭の肌も割れが多かったらり鱗のようになっているものは大体が軽い炭になっています。軽い炭は火付けが良いが燃焼時間や火力はかなり劣っていると思っていいでしょう。家庭用などいいかもしれませんがお店には不向きです。

割・半丸の原木の写真は、割り機を使ったものとチェーンソーで割ったものです。
炭になったことを考えるとチェーンソーで割る方がきれいです。

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木ごしらえまたは、原木をノスと言っています。ノスは、方言で真っすぐさせるという意味です。
木ごしらえと聞いたら大工さんの隅木・桁・桁・柱・はり・垂木などの鉋削りを思う方も多いでしょうが、紀州備長炭の木ごしらえとは、原木(ウバメガシ)の節を取り・曲がったところを切れ込みを入れてクサビ(カマシ)を入れて真っすぐにしたり、太い原木は、半分・四つ割りにし、同じ長さのものを3本を1組にし縛っていきます。これが木ごしらえと言います。

木ごしらえの大事なことは炭になった時の事を考えて木ごしらえ作業をしていきます。原木の節が炭になると爆超の可能性があります。残さずきれいに除き、また、太い原木は半分・四つ割りにしますが割り機だとどうしても肌がザラザラになりますので全部チェーンソーで割っております。

その後、窯入れまで原木ウバメガシは生ものなのでこまめに水をかけています。
いい炭を作るには木ごしらえからだと思い日々の作業を進めています。


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紀伊国田辺の商人備中屋長左衛門(びっちゅうや ちょうざえもん)が、ウバメガシを材料に作り販売を始めたことから、その名をとって「備長炭」の名がついた。狭義にはウバメガシの炭のみを備長炭と呼ぶが、広義において樫全般、青樫などを使用した炭を指す場合もある。

紀伊半島南部では、内陸部の崖地にウバメガシの優占する森林があり、やや特殊な昆虫相を維持している。代表的なものとしてはウラナミアカシジミの固有亜種ナンキウラナミアカシジミがある。この、内陸部にあるウバメガシ林は、紀伊半島に独特の例外的存在であるかのように言われることがあるが、実際には、西日本各地に内陸のウバメガシ林が点在し、それぞれの地域で「ここは例外である」と言われている。和歌山県大塔山系法師山の山頂にはウバメガシの低木があり、多分最高標高の生育地である。 また、紀伊半島南部では、あちこちの低山の斜面に、備長炭の用材としてウバメガシが優占するように育成された森林があったが、最近の需要の増加のため、減少が目立つ。かつては細心の注意で維持されたものであった。山にある立ち木の状態で炭焼き師の手に売られた後は、伐採後の樹木の生長に気配りしつつ伐採された。たとえば伐採の後、ひこばえの成長に配慮して、鋸は絶対に使わず、斧のみを使って伐採したとの伝承がある。鋸を使うとひこばえが多数出過ぎて、後の成長が良くないと言われる。切り口を斜めにすることで雨露が溜まらないようにしたり、不要な芽を掻き取ることで質の良い後継木を育てる工夫もなされている。

現在は、チェーンソーを使い昔よりも多く伐採できるようになりました。
ウバメガシは強い生命力を持っているので切り株からたくさん新芽がでます。30年から40年サイクルでまた紀州備長炭に成る程の成長をしますが、今は鹿が新芽を食べたり、周りの雑木を切らなかったりして日光不足に陥り根が枯れてしまったりしています。次の世代の為に、伐る際は地面スレスレに伐り株のうえにやぶを乗せて鹿から守ったり周りの雑木を伐ったりして成長を促しております。

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紀州備長炭の原木は90%はウバメガシで作られており広義では樫も含まれております。
ウバメガシは主に日本の愛知県の知多半島・三重県・和歌山県・四国・九州太平洋側に広く分布しております。なので、ウバメガシのあるところには備長炭と名の付く窯元があります。

ウバメガシは、日本では五本の指入るほど硬く生木でも水に沈みます。自分達は山での伐採(木出し作業)時に思うのは、傾斜がきつい尾根沿いや岩場など険しいところによく生えているのがウバメガシだと思います。そして漢字では、姥目樫と書いてウバメガシと書きます。

ウバメガシは、炭化すると他の樫と比べると硬く重くです。
しかし、ウバメガシも樫も同じ焼き方をすれば紀州備長炭です。違いは、重さも硬さも燃焼時間もウバメガシの方が上です。
銘柄はウバメガシは馬目、樫は備長と振り分けられております。b3-22-2.jpgb3-22-1.jpg

紀州備長炭の原木のウバメガシを山から降ろす時いろいろな方法で降ろします。
ワイヤーでまとめて一気に下まで降ろしたり、機会を使って下まで運んだりです。
一番きついのはやはり、人力で下ろすのが一番きつい作業ではないでしょうか?
特に夏場、山に登るのも5時や6時で気温の低い時間帯を狙っての山作業になります。
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紀州備長炭の原木は樫・ウバメガシですが、弊社ではウバメガシです。
ウバメガシは、水に沈むし日本で5本の指に入るほどの硬さです。
日本の沿岸部に分布しています。この原木を山から切り出し窯場へ運び曲がったところにくさびを入れてまっすぐにしたり、太ければ半分や四つ割りして木ごしらえを行い窯入れとなります。過酷な作業ですが、一から携われるので良い炭ができた時は本当に感動します。写真は、伐った直後ですがここからさらに地面すれすれに切り株を切りなおします。そうする事で新芽が出て次の世代につないでいきます。そして枝などかぶせて鹿からも新芽を守る様にします。手間ですがやらないとウバメガシは育ちません。b26.jpg