山と向き合う仕事

ウバメガシは、堅い木を材料とする備長炭は、白炭の中で最高級品とされています。 和歌山県の県木でもあるウバメガシは、木質が硬く、木そのものは建築や木工製品の材料には不向きですが、長年受け継がれてきた製法で白炭として焼くとノコギリでも切れないぐらい堅く、火持ちの良い炭ができあがります。 備長炭づくりは、ウバメガシの生育する太平洋側の温暖な地域、和歌山県で受け継がれており、現在は、その生産地にちなんで「紀州備長炭」と呼ばれています。

木出し作業
木出し作業
木出し作業
木出し作業

20~40年の成木を択木伐採。ウバメガシです。
森林を伐採して環境を破壊するというイメージを持つ方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。山の木々は、人が手を入れないとなかなか育ちません。木が成長していく過程で、定期的に人間が手をいれることにより、山を生かし、緑を生かすのです。ウバメガシは紀南地方に群生しています。戦後はスギ・ヒノキに樹種転換した山が相当数あるため、原木林の育成が今後の課題です。

木出し作業

原木を定尺に切り車まで人力で下ろしております。

木出し作業

ワイヤーと滑車、集材機が使えない檜の植林がある場所、

原木と運搬車

原木と運搬車、

紀州備長炭の原木であるウバメガシは現在、絶対的な本数が減っており、年々山の奥へと伐採が進められており、原木の供給も年々減少しております。かつて、炭焼き人は、原木を求めて窯を移動させ、その間にウバメガシの再生をはかっていました。まさに炭焼き人とは、山を熟知し大自然を読む技術に長けた人であったのです

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